2009年7月22日 (水)

「お豆腐の和らい '09」京都公演 and more

 またまた久しぶりになってしまいましたが・・・・・、
 先日(11日)、久しぶりに狂言を見てきました。

 「お豆腐の和らい ’09」京都公演。
 場所は、京都府立文化芸術会館。

 今回、“KYOGEN TRANSRATOR”と銘打って、狂言を通訳とともに見る、というもの。
 通訳は、丸石 やすしさんがつとめました。

 さて、今回見た演目は次の3つ。

 「鶏婿」
 「狐塚」
 「腰祈」

 最初の「鶏婿」は、婿入りする男が決まりごとを聞きに知人に聞きに行ったのですが、嘘を教えられて・・・・、と言う設定でその婿入りの様子をおかしく見るわけですが、さらに続きがあって、もっと笑ってしまうもの。
 茂山 童子さんがなかなか笑わせてくれました! なんとなく顔つきもちょっと変わってきたような・・・。

 次の「狐塚」は、主人が群れて飛んでくる鳥から畑を守るために、太郎冠者と次郎冠者に頼むのですが、夜になると「狐が出る」と言われているため、寒くなってきたので陣中見舞いに来た主人を狐と間違えて・・・・、と言う設定。
 これは従兄弟の茂山 七五三さんとあきらさんが太郎冠者、次郎冠者となってそれぞれの持ち味十分に笑わせてくれました。

 最後の「腰祈」は、大峰山、葛城山で修行した山伏が羽黒山に帰る途中に、都にいる祖父を訪ね、祖父の腰が曲がっているのを、祈祷で直してみようと試みるのですが・・・・・、という設定。
 山伏を茂山 逸平さんが演じ、ちょっと優しい感じの山伏でした。 今回は、祖父を千之丞さんが演じるはずでしたが、体調不良、ということで、千三郎さんが演じました。(もう、大丈夫でしょうか?)
 それにしても、山伏が祈祷するときの「ボ~ロン、ボロン」 という掛け声がとっても滑稽ですが大好きです。 思わず笑えます。

 やっぱり 狂言は面白い!
 何度見ても面白く、楽しいです。
 さあて、次は いつ、どこで、何の演目を見ようかな・・・・・・?

 さて、
 この狂言を見る前にランチを出町柳で食べました。
 その店は、以前にも紹介した「京都でのんびり」(小林 由枝著)と言う本で紹介していたお店で、韓国の雰囲気いっぱいの喫茶店「李青」

 今回食べたのは、私がピビンバセットで奥さんが冷麺セット。
 いずれも京都・美山産の無農薬野菜がたっぷりと入って、とってもヘルシー!
 もちろんおいしくて、やさしい味です。
 さらにおいしかったのが、セットに付いていた漬物。
 あっさり漬けでとても美味しかったです。
 (※店内は撮影禁止のため、残念ながら画像はありません)

 店内には、韓国の琴の音楽が静かに流れ、韓国の家具や調度品で飾られ、とてもゆったりとした時間が流れます。
 メニューには、韓国のお餅やお茶などがあり、今度はそれにチャレンジしてみたい、と思います。

  090722_risei 静かなたたずまいのお店です

■喫茶「李青」
   住   所 : 京都府京都市上京区河原町通
              今出川下ル2筋目東入ル448-16
   電   話 : 075-255-6652
   営業 時間 : 11:00 ~ 18:00(ラストオーダー 17:30)
   定  休 日 : 月曜・火曜

                              ※2009年7月現在

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2009年1月22日 (木)

「グッドナイト スリイプタイト」

 もうすでに公演が終わってしまったのですが、
 先日(15日) 三谷幸喜 最新作の 「グッドナイト スリイプタイト」(HP) を見てきました。

090122_stage  会場は新しくできたサンケイホールブリーゼ。
 初めてのホールですが、もちろんのこと新しく、そしてロビー等は白を基調にしているので、とても明るい印象です。
 今回は2階席ですが、ロビーからエレベーターで上がりました。
 そして中に入ると、一転黒を基調にしています。
 かなり客席部分は傾斜があり、ステージを上から見下ろすような形です。
 また、思ったよりもホールはこじんまりとしていて、中ホール程度の大きさでしょうか?

 今回の作品は二人舞台。
 出演は中井貴一戸田恵子という組み合わせです。
 となれば、三谷作品ということも含めて大いに期待!

 もちろん、その期待は裏切られませんでした。
 二人の絶妙なテンポと間。
 そしてシリアスでもコメディでもどちらでもこなせる演技力。
 今回は休憩なしの約2時間10分の舞台でしたが、 “あっという間に終わってしまった” 、そんな感じです。

 もちろん、三谷幸喜の演出も抜群!
 今や恒例となった開演前の場内アナウンスに始まり、随所に見所満載でした。
 舞台中央にセットされた2つのベッドの距離が部屋の大きさや二人の距離感を表していたり、二人の出会ってからの時間をデジタルで表すなどの舞台づくり。
 そして、“たろう”と名付けられたペットのカメや、妻が招かれたパーティーで披露するパフォーマンスなどなど・・・・・。

 最後にどうしても紹介しておきたいのが、音楽、というか舞台袖に陣取った4人の音楽担当です。
 管鍵”樂団!?(かんげんがくだん)というフルート、オーボエ、クラリネットとピアノによる音楽ユニットですが、この4人が舞台に与える影響は音楽だけにとどまらず、さまざまな関わり方をしています。
 この4人なくしては語れない、そんな気もします。
 後で確認すすと、ユニットの紅一点のピアノを担当する荻野清子さんは、前回の「コンフィダント・絆」や映画「ザ・マジックアワー」の音楽を担当されていたそうです。

 内容的に夫婦の話なので、身につまされる場面やせりふが多々あり、ちょっとへこみ加減にもなったのも事実です。
 それでも舞台を観終わっては、スッキリした気分になっていました。

 終演後、ロビーでパンフレットを買うために並んでいると、パンフレットの横には“限定”と書かれた“おやすみセット”が・・・・・。
 おもわず買っちゃいました!

  090122_sleep_set 090122_cd
  (左)“おやすみセット”(Tシャツ、アイマスク、耳栓、サントラCD)
  (右)サントラCDには三谷幸喜・中井貴一・戸田恵子のサイン入り
  090122_panhuret そしてパンフレットも買いました

 また行きたい! 三谷幸喜舞台でした。

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2008年12月22日 (月)

「フェスティバル狂言」 ~ありがとう! フェスティバルホール

 50年の歴史を一旦閉じることになった フェスティバルホール
 今年の後半は特にフェスティバルホールを愛した人々が、アーティストが数多く訪れました。

081221_festival_kyougen そして昨日、あまりフェスティバルホールとは縁がないようですが、約45年間伝統芸能の舞台としても世界的に名を馳せたフェスティバルホールに東西の狂言演者が集まりました。
 東西の人間国宝 茂山千作氏、野村萬氏を筆頭に、茂山千五郎家善竹忠一郎家野村万蔵家野村又三郎家の名門四家が集まり、フェスティバルホールでの最後の狂言会を催しました。

 そして、もちろん行ってまいりました!
 今回の観客は年齢層が幅広く、若い方からご年配の方々までフェスティバルホールの客席を埋め尽くしました。

 まず、“若手”出演者によるスペシャルトークに始まり、そして茂山千作氏の当たり役でもある「福の神」が演じられました。
 千作氏の「福の神」を拝見するのは、まだ狂言歴1年の私ですが、実に3回目に当たります。
 通常は面をかぶって演じられるそうですが、千作氏の場合は見るからに“福の神”であるために直面(ひためん:面を着けずに演じること)で演じられます。

 そして野村家による「舟渡聟」(ふなわたしむこ)
 前に茂山千五郎家による大蔵流のものを厳島神社で観ましたが、今回は和泉流のものとなり、実は若干シナリオが変わります。
 和泉流のものは最後がとてもきれいに終わるため、個人的には大蔵流のものの方が好きですが、やはり野村萬氏の身のこなしはとてもきれいでした。

 休憩をはさんで、茂山千之丞氏による「小原木」(おはらぎ)
 これは狂言の中で謡われる中世当時の流行歌 “小歌”の一つだそうです。
 千之丞氏の声がとても素晴らしかったです。

 最後に大きな舞台ならではの狂言「菓争」(このみあらそい)
 演者と囃子方、地謡などで総勢20名に及ぶ舞台です。
 こちらの演目も今回は特別に直面で演じられ、また出演者がそれぞれ柑橘類や栗、柿、梨などの果物などで頭にはそれらをあしらったものがつけられて演じる、というなかなか面白い演目です。
 また、それぞれが持つ武器や戦いの型が面白く、能のようでもありましたがとても楽しく見ることができました。

 これで、フェスティバルホールとはしばらくお別れです。
 ここ最近は、佐藤竹善葉加瀬太郎のコンサートなどでたびたび訪れましたが、やはりとてもいいホールだっただけに寂しさが募ります。

 狂言の方は、年明け早々にまた茂山千五郎家の初笑いを観ることができるので、こちらはそれまでの約3週間我慢することにして・・・・・。

 最後に、フェスティバルホールの50年間の歴史に感謝して、そして5年後の生まれ変わりを期待して、

  フェスティバルホール 50年間 ありがとう!

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2008年7月27日 (日)

納涼茂山狂言祭 2008

 今日は「納涼茂山狂言祭 2008」大阪公演の2日目に行ってきました。
 これはリクエストによって公演内容が決まるものだそうです。

080727_sigeyamakyougen_01  本日の公演演目は「二人袴」「鈍太郎」「菌」の3つ。

 と、その前に茂山逸平くんのトークが。
 3つの演目の簡単な説明があり、最後に“おススメ”が。
 それにしても、初めて知りました。
 まだ、祇園祭は終わっていない、ということを。
 17日の山鉾巡行で終わったものと思っていたのですが、7月31日まで(つまり7月の1ヶ月間)お祭りなのだとか。
 ちなみに大阪では天神祭で賑わう24日には「花傘巡行」と言う神輿や獅子舞の行列が練り歩くのだそうです。

 そして、まず1つ目の演目「二人袴」(ふたりばかま)
 今ではそんなことはありませんが、結婚後に聟(むこ)が初めて舅のところにあいさつに行く「聟入り」での話。
 正邦氏と千之丞氏のコンビがとてもユーモラスに演じてくれます。
 そして37才の聟、なかなか良かったですよ!(どこかで聞いたことがあるような・・・・、37才の聟って)
 本当にお腹の底から笑わせてくれました。

 2つ目の演目は「鈍太郎」(どんたろう)
 3年ぶりに都に戻ってきた男の話ですが、下京に本妻が、上京に愛人がいて・・・・・、という何んとも羨ましい(?)ような話。
 ここでは、本妻と愛人を兄弟である宗彦・逸平くんが演じます。
 宗彦くんの狂言は初めてでしたが、少々邪険にふるまわれる本妻のちょっと憎らしいようなところが出ていて面白かったです。

 最後に「菌」(くさびら)
 これはちょっとSFちっくな感じで、男の庭に生えれきたキノコを山伏に頼んで祈祷してもらって取り払おう、とする話。
 ここではキノコを演者が笠をかぶり、面をつけて、腰を落としてすり足で現れます。
 これがなんともユーモラスで、その動きがとても面白く、また七五三氏が演じる山伏のユーモラスさと加わって、これまた大笑い!
 最後には丸石やすし氏が演じる姫茸がダメ押しの笑いを持ってきてくれました。

 今回で3回目となる狂言でしたが、本当に面白いですね。
 昔の人々の文化や生活に触れると共に、今のエッセンスを若干加えながら沸き起こる笑い、これがなんとも言えず快感です。
 そして日本人独特のあの箱庭的な舞台で演じられ、ほとんど装飾物はなく、演者とその持ち物だけでの演技に吸い込まれていき、そして沸き起こる笑い。

 これは本当にやめられそうにありません!

  080727_sigeyamakyougen_02 080727_sigeyamakyougen_03
  パンフレット(左)を買うと特製エコバッグ(右)がついていました

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2008年4月21日 (月)

宮島・厳島神社 奉納狂言会(再び宮島へ 0804 その1)

 昨年11月に宮島に行って感動して虜になって約5ヶ月。
 再び宮島に行く機会を得、昨日夜に帰ってきました!

 『宮島・厳島神社 奉納狂言会』です。 (4月19日)
 茂山狂言会が主催しているものですが、実は今年の1月に茂山狂言の初笑いを見てからちょっと狂言にはまってます。
 まあ、茂山宗彦・逸平兄弟茂山童司の若手に関してはテレビ等で何度か見ていたので興味を持って見ていたのですが、狂言を見たのは1月が初めてでした。
 で、そのときの配布物に今回の告知があったので早速予約し、今回の宮島1泊旅行になったわけです。

 18時半 開場(19時 開演)、と言うことだったので18時ごろに厳島神社の辺りにいれば十分だろう、と高をくくっていましたが、17時40分すぎに前を通ると長蛇の列が・・・・。
 あわてて最後尾に並びました。
 その後も列が伸びる、伸びる・・・・・。 おそらく参道の入口の狛犬のあたりまで並んでいたのではないでしょうか。 (いったい何人集まったのでしょうか・・・・・?)
 地元・広島の方はもちろん、大阪、福岡などあちこちから集まっているようです。 (私も兵庫ですが)

 待つこと約45分。
 その間に陽もほとんど沈んで雲の間に隠れ、風もあって結構寒さに震える中、ようやく入場。
 なんと、もぎりには茂山逸平君と鈴木実さんが。

  080421_yuuhi 沈み行く夕日と大鳥居

 狂言が演じられるのは、厳島神社の本殿の西側にある能舞台。
 そして回廊には椅子席が、その前には桟敷席が作られており、私たちは桟敷席の舞台に向かって右側に陣取りました。

  080421_kyougen_01 080421_kyougen_02
  080421_kyougen_03 能舞台とライトアップされて海に浮かぶ大鳥居

 今回演じられたのは、「三番三(さんばそう)」「渡し聟(むこ)」「細雪」「仁王」の4つ。

 「三番三」は、能楽の中で狂言師が演じるものだということで、なかなかスッと理解することは難しいものでした。
 演じられた後、そのときに使用した鈴が神社に奉納されました。

 「渡し聟」は、昔厳島神社の狂言師が残した約170の台本の中から今回復元させて、少し現代風にアレンジしたもの。
 これは客席のみんなでお腹を抱えて笑いました。
 狂言ならではの楽しさがあり、本当に面白かったです。

 「細雪」は、人間国宝の茂山千作氏の独吟。
 1月の初笑いでは「福の神」を演じられて、福の神そのままのお姿でしたが、今回は独吟ということで、少々足腰が心配でした。

 最後の「仁王」は、これも客席みんなで笑いました。
 立衆たちの仁王様にお願いをするその内容が本当に面白い。 今回の会のための特別バージョンです。
 本当に思い切り笑えました。

 この4つの演目の間に、休憩時間には逸平君が客席に入ってファンサービスをしたり、千之丞さんが演目の説明(その間にもしっかりと笑わせてくれました)をしてくれたりと、至れり尽くせりでした。

 NHKの朝ドラでモッピー(茂山宗彦)が出演し、茂山狂言も人気沸騰中!
 若い女性が多く見られましたが、年齢層は幅広いです。
 ただし、今回の奉納狂言会にはモッピーも童司も来ていません。(残念)

 でも本当に楽しい時間を過ごすことができ、夜の寒さも忘れ(そうにな)るぐらいでした。
 さて、次回はいつの舞台を観ようかな・・・?。
 SOJAクラブに入ろう!

(つづく)

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2008年3月 1日 (土)

「二人の約束 ~ The Two Men's Promise ~」

 今日は休み。
 しかし、午前中は会社に出勤してしなければならないことを片付けて3時頃に一旦帰宅。
 その後、遅めの昼食を取って奥さんと出かけました。

 「二人の約束 ~ The Two Men's Promise ~」(HP)の舞台を観るために、OBP(大阪ビジネスパーク)へ出かけました。
 と、会場に向かう前に時間があったので、ツインタワービルの1階にあるニシムラコーヒーで一息。
 そして会場のシアターBRAVA!へと向かいました。

  080301_hutarinyakusoku シアターBRAVA!前のポスター(ちょっと見難いですが)

 まず驚いたのが客層の幅広さ。
 とにかくまずご年配のご夫婦などが思ったよりも多くいらっしゃいました。

 今回の出演者は、中井貴一段田安則りょうの3人。
 以前にも中井さんと段田さんの舞台を観たことがありますが、今回もその“劇団ふたり”の公演の2回目になるそうです。

 最初はあらすじのはじめの部分を知っていただけに、どう流れていくのかが見えず、ちょっと戸惑いましたが、話が進むにしたがってそのもつれた糸は少しずつ解けていき、どんどんと舞台へと引きずり込まれていくように見入ってしまっている自分がいました。

 それにしても、中井さんはすばらしい!
 静の部分と動の部分のメリハリが効いていて、そして3枚目にもなりきれる。

 そして、段田さん。
 演じているのかそれとも素なのか、そのなんとも言えない演技がたまらなく好きです。

 この二人って結構その組み合わせがマッチしているんですよね。 前回もそうでした。
 その話がどんどん進むにしたがって、引き込まれていきます。

 この二人に絡む、りょうさん。
 正直なところ“どんなだろう”、とちょっとどうかな?と思っていましたが、ところがどっこい! 多分、役がはまっていたんだとも思いますが、なかなかの存在感で本当に良かったです。 そのキュートさが存分に引き出されていたと思います。
 初舞台だとは思えません!

 そして、ストーリーの要所要所でスクリーンによる映像を使って、ちょっとした味付けをしたり笑わせもするその手法はなかなか良かったです。 演出の福島三郎さんは、今までにも何度か舞台を見せていただいて好きな演出家の方ですが、いつもいつも楽しませてくれます。 次回も楽しみ!

 「人を信じる」・・・・・そんなテーマが話の中に織り込まれていて、3人の微妙な関係が変化しながら話の中でメッセージとして伝わってきます。
 簡単なようだけど難しい。 このところ人間関係がだんだん希薄になっているなかで、ちょっと考えさせられる、でも身近で大切なテーマですよね。

 なんとなく小太郎って自分に似てるな、って感じながら見ていましたが、「信じる」ことによって深まっていく人間の絆って本当に大切だと思いました。

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2007年6月 1日 (金)

「コンフィダント・絆」

 昨日(5月31日)、三谷幸喜作・演出の舞台「コンフィダント・絆」を観て来ました。
 この日は千秋楽にあたり、4月の東京公演、そして5月の大阪公演の千秋楽にもあたります。

  070601_confidents

 このところ三谷さんの作品は必ずと言って良いほど観に行ってます。
 やはり面白い! 思いっきり笑えます。

 舞台で観るのは、「オケピ!」(2000年)、「彦馬がゆく」(2002年)、「You Are the Top ~ 今宵の君」(2002年)、「オケピ!」(2003年)、「12人の優しい日本人」(2005年)に続く6作品目です。
 やはり、舞台が三谷幸喜の真骨頂!
 否が応でも期待が高まります。

 場所は、大阪城公園にある「シアター BRAVA!」。
 いつものように期待に胸膨らませながら、開演を待ちました。

 2時を過ぎて、5分前のブザーが鳴り、開演前の注意事項の放送が・・・・。
 エッ!?
 いつもなら三谷さんのユーモアたっぷりの注意事項が流れるはずなのに、今回は違います。

 今回のストーリーは・・・・・・、
 1888年 パリ。 ムーランルージュに程近い、とあるアトリエ。 そこに集まる4人はまだ世間的には無名の画家たち。 ゴッホ・ゴーギャン・スーラ・シュフネッケル。 そしてそこにモデルとしてルイーザが加わり、4人の関係は徐々に崩れていく・・・・・。

 舞台の袖にピアノがあり、ピアノの生演奏似合わせて老婆(そこまでいってないかな?)役の女性が歌を歌い始めます。 そして昔を回想するセリフ。

 と、ルイーザ役の堀内敬子さんの早変わりでストーリーは始まります。
 ゴッホ役に生瀬勝久、ゴーギャン役に寺脇康文、スーラ役に中井貴一、そしてシュフネッケル役に相島一之、そしてルイーザの5人のみで演じられます。

 とにかくそれぞれの役者がやはりすごい!
 中井さんは、うまさだけでない笑わせる要素もしっかりあって存在感があります。
 生瀬さんは、感情の起伏が激しいところを“さすが生瀬さん”、と思わせるらしさで熱演。
 相島さんは、シュフネッケルそのまま、って感じで地味ではありますが、最後の場面は泣かせます。
 寺脇さんは、自分の世界をすでに持っているのでちょっとどうかな、と思ってましたが、しっかり自分を表現しながらも演じてましたよね。
 そして堀内さんは、歌も素晴らしいし、演じるのもうまい! 男性4人を相手に一歩も引けをとりません。

 この5人に、三谷さんの演出ですから面白くないわけがない!
 ただちょっと今までと違うのは、腹の底から笑い転げる、というよりも笑わせて泣かせる、考えさせる、そんな感じです。

 どうしても舞台を見ながら、自分を男性4人に置き換えて観てしまいます。
 「自分は誰のタイプだろう」、と。

 もちろん、笑わせるツボはしっかりと押さえています。
 どうやら千秋楽は今までと違ってアドリブが随所にあったようです。
 ルイーズのお土産がリンゴではなくバナナだった(だから寺脇さんが皮のままかじったんだ!)り、シュフネッケル役の相島さんが駆け込んでくる場面でみんなから突っ込まれたり・・・。(これらのことは、堀内敬子さんのブログに書かれています)

 そしてなかなか出てこなかった三谷さんは、休憩後の2幕の始めに、ピアノ演奏者の荻野清子さんと一緒にバンドネオンを手に登場!
 いきなり六甲おろしをひき始め、そしてテーマ曲をひいて2幕がスタート、と思いきやステージでスタンバイしていた中井さんと堀内さんに話しかけます。
 「長かったね。今日帰るの?」(中井さんに)、「歌うまいねえ」(堀内さんに)。
 そして急にバンドネオンを持っていた両手のうち右手を離してしまい・・・・。
 仕込んでいたネタかもしれませんが、笑ってしまいました。

 終わって拍手が鳴り止まなかったことは言うまでもありません。
 何度カーテンコールがあったでしょうか?(8~10回ぐらい?)
 カーテンコールの中で、5人の役者と一緒にでていた荻野さんがピアノに座り、ステージの中であった男性4人のコーラスや、堀内さんのソロなどのアンコールもありました。
 そして最後に中井さんが代表しての挨拶。

 とても良かったです。
 DVDが出たら買ってしまいそうです・・・・。

 最後に、タイトルになっている「コンフィダント」
 これは「秘密・秘め事を打ち明けられる、心許せる相手」を意味する言葉だそうです。

 「♪大丈夫~、あなたは~、悪くない~♪」
 「♪ゴーギャン、ゴッホ、スーラ、パー、シュフネッケル♪」

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