「フェスティバル狂言」 ~ありがとう! フェスティバルホール
50年の歴史を一旦閉じることになった フェスティバルホール。
今年の後半は特にフェスティバルホールを愛した人々が、アーティストが数多く訪れました。
そして昨日、あまりフェスティバルホールとは縁がないようですが、約45年間伝統芸能の舞台としても世界的に名を馳せたフェスティバルホールに東西の狂言演者が集まりました。
東西の人間国宝 茂山千作氏、野村萬氏を筆頭に、茂山千五郎家、善竹忠一郎家、野村万蔵家、野村又三郎家の名門四家が集まり、フェスティバルホールでの最後の狂言会を催しました。
そして、もちろん行ってまいりました!
今回の観客は年齢層が幅広く、若い方からご年配の方々までフェスティバルホールの客席を埋め尽くしました。
まず、“若手”出演者によるスペシャルトークに始まり、そして茂山千作氏の当たり役でもある「福の神」が演じられました。
千作氏の「福の神」を拝見するのは、まだ狂言歴1年の私ですが、実に3回目に当たります。
通常は面をかぶって演じられるそうですが、千作氏の場合は見るからに“福の神”であるために直面(ひためん:面を着けずに演じること)で演じられます。
そして野村家による「舟渡聟」(ふなわたしむこ)。
前に茂山千五郎家による大蔵流のものを厳島神社で観ましたが、今回は和泉流のものとなり、実は若干シナリオが変わります。
和泉流のものは最後がとてもきれいに終わるため、個人的には大蔵流のものの方が好きですが、やはり野村萬氏の身のこなしはとてもきれいでした。
休憩をはさんで、茂山千之丞氏による「小原木」(おはらぎ)。
これは狂言の中で謡われる中世当時の流行歌 “小歌”の一つだそうです。
千之丞氏の声がとても素晴らしかったです。
最後に大きな舞台ならではの狂言「菓争」(このみあらそい)。
演者と囃子方、地謡などで総勢20名に及ぶ舞台です。
こちらの演目も今回は特別に直面で演じられ、また出演者がそれぞれ柑橘類や栗、柿、梨などの果物などで頭にはそれらをあしらったものがつけられて演じる、というなかなか面白い演目です。
また、それぞれが持つ武器や戦いの型が面白く、能のようでもありましたがとても楽しく見ることができました。
これで、フェスティバルホールとはしばらくお別れです。
ここ最近は、佐藤竹善や葉加瀬太郎のコンサートなどでたびたび訪れましたが、やはりとてもいいホールだっただけに寂しさが募ります。
狂言の方は、年明け早々にまた茂山千五郎家の初笑いを観ることができるので、こちらはそれまでの約3週間我慢することにして・・・・・。
最後に、フェスティバルホールの50年間の歴史に感謝して、そして5年後の生まれ変わりを期待して、
フェスティバルホール 50年間 ありがとう!
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