「Orife 織布」(京都・祇園松原散策 その4)
「革工房 Rim」を出て、あじき路地をさらに奥へ進むと次に目指すお店があります。
その名は、「Orife 織布(オリーフ)」(HP)。
”本物を普段使い”をコンセプトに、織り上げるだけで2ヶ月以上もかかる大島紬、結城紬等の着物生地を使用してオリジナルハンチング&ハットを作っているお店です。
ドアを開けると「Rim」と同様に町家を改装した、こちらは畳敷きの部屋です。
窓側に棚があり、そちらにハンチングとハットが飾られています。
奥の部屋には着物の生地が積み上げられていて、オーダーも承るとのこと。
ハンチングをかぶった藤岡 元さんと奥さんが迎えてくれました。
最初のうちは、あまり乗り気ではなかったんですが、いろいろとかぶっている間に「ちょっと買ってみようかな・・・」と、そんな気持ちに変わっていったのです。
もともと汗かきだったために「帽子は自分にとって関係のないもの」、という先入観があり、帽子を買うことなんて考えたことはありませんでした。
が、この前の冬の終わりにハンチングを勢いで買ってしまってから少しずつ考え方が変わってきたように思います。
今回気になったのは2点。
ひとつは能登上布と言われる石川県の無形文化財ともなっている織物で、素材は麻。
ブラックがベースで前から後ろにかけての上部は少々大柄ですが、横の部分を地味目でおさえてあるので気に入りました。
そしてもうひとつは、沖縄のミンサー織の生地を使用したもので、素材は綿ですが少々厚めになります。
藍よりも少し明るめの色で、ミンサー織特有の柄。
なかなかお目にはかかれない、と思います。
いろいろと悩んだ末に何度もかぶってみた結果、ミンサー織のハンチングを購入。
奥さんは大島の市松模様のハットをサイズオーダーしました。
とにかくゆったりとした空間でご主人と奥さんのお二人と会話をしながら帽子をかぶって、鏡を見て・・・・・・の繰り返し。
でもなんだか安らぐ時間だったのは、町家のつくりなどもあるかもしれませんが、なんと言ってもお二人の人柄にあると思います。
職人の旦那さん(と言ってもまだお若いですし、とても気さくです)と、お客さんとの会話の中でとてもうなづけるひと言を言ってくれる奥さん。
この二人の絶妙のコンビネーションは商品のこだわりを感じるだけではない、とても心地よいスパイスのようで、また是非訪れてみたいです。
そして桐箱入りのハンチングを受け取って、お二人に別れを告げて、ホッとする空間のあじき路地を後にしました。(つづく)
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